脂肪代謝促進研究29 余分な脂肪はL‐カルニチンで解消

代謝促進成分はα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10が代表的なもので、初めに医薬品成分から食品成分として使用が許可されたのは2001年のコエンザイムQ10でした。続いて2002年にL‐カルニチン、2004年にα‐リポ酸が同じく医薬品成分から食品成分としても使うことができるようになりました。

α‐リポ酸にはブドウ糖を細胞のミトコンドリアに取り込む働きがあり、L‐カルニチンには脂肪酸をミトコンドリアに取り込む働きがあります。ミトコンドリアでエネルギー産生を行うTCA回路では酵素が働いていますが、その酵素の働きを補う補酵素がコエンザイムQ10です。

エネルギー代謝の促進のためにはα‐リポ酸もL‐カルニチンも有効となります。α‐リポ酸が不足してブドウ糖が充分にエネルギー化されないと、そのブドウ糖は余分なエネルギー源として肝臓で脂肪酸に合成されて、その脂肪酸が3個結びついて中性脂肪となります。この中性脂肪が脂肪細胞に蓄積されていきます。

脂肪細胞の中の中性脂肪は、運動をしてアドレナリンが分泌されると脂肪酸に分解されて血液中に放出されます。この脂肪酸が細胞に取り込まれて、L‐カルニチンと結びつくとミトコンドリアの中に取り込まれるという流れとなっています。

α‐リポ酸が不足してブドウ糖の代謝が低下しても、脂肪酸の代謝が盛んになれば余分な体脂肪(主に内臓脂肪)を減らしていくことができます。

L‐カルニチンにはミトコンドリアへの脂肪酸の取り込みのほかに、脂肪分解酵素のリパーゼの働きを活性化させる働きと、褐色脂肪細胞の働きを活性化させる働きもあります。褐色脂肪細胞は肩甲骨の周りに多くあって、脂肪を代謝させる脂肪細胞となっています。これによって余分な体脂肪を減らす効果が高まるということです。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕