脂肪代謝促進研究36 L‐カルニチンの摂取上限量

サプリメントは1日あたりの摂取の上限量が定められています。水溶性の性質がある栄養素は体内に長くは保持されず、その多くは1日ほどで排出されます。だから、どれだけの量を摂っても問題はないと考えられることもあるのですが、保持されている期間に過剰症が起こるものもあります。

体内促進成分のL‐カルニチンは水溶性の性質で、いつ摂っても吸収され、長期間は保持されないのは他の水溶性の成分と同様です。しかし、代謝に必要な成分であることから腎臓に保持される性質があるので、食事やサプリメントによる摂取がなくても不足することは一般にはありません。

通常の食事では1日に肉食によって60〜180mgが摂取されています。この違いは食事による肉の摂取量に影響を受けています。多く含まれているのは牛肉で、豚肉、鶏肉の順で少なくなっています。乳製品の牛乳やチーズなどにも含まれています。

肉をまったく食べないビーガン(完全菜食主義)の場合には、L‐カルニチンの摂取量は10〜12mgとなります。ちなみに、食品に含まれるL‐カルニチンの吸収率は54〜86%とされています。この差はL‐カルニチンが含まれている食品に関係していて、もともとは肉に多く含まれている成分であるために、たんぱく質の量に影響されています。

L‐カルニチンのサプリメントの吸収率は、たんぱく質が多く含まれる食事と一緒に摂ったときに高くなります。そのため、肉類や乳製品と一緒に摂ることがすすめられます。

L‐カルニチンのサプリメントの1日の上限は1000mgとされていて、この量を継続的に摂取しても過剰症が起こることはありません。過剰症が認められるのは1日に3g(3000mg)を摂取したときで、吐き気や嘔吐、腹部痙攣、下痢などが起こる可能性が指摘されています。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕