健康食品は1種類の素材だけでなくて、複数の素材を組み合わせるのが一般的ですが、それに対して医薬品は1つの種類には1つの成分しか使われていないのが原則です。複数の働きが必要な場合には、複数の医薬品が使われます。
それぞれの医薬品の成分はターゲットとなる臓器や器官などが定められています。例えば肝臓の機能を高める医薬品成分の効き目を高めようとしたら、肝臓そのものが元気な状態であることが求められることから、肝臓によいとされる健康食品を同時に摂ろうとする人が少なからずいます。
医薬品は肝臓で分解されて、残ったものが体内で使われるようになっています。そのために医薬品は肝臓に負担をかけています。健康食品の成分なら安心できるように思われがちですが、肝機能を高める健康食品の中には医薬品的な成分もあり、中にはウコン(鬱金)のような東洋医学の医薬品として使われているものもあります。そのために、かえって肝臓に負担をかけるものも存在しています。
肝臓に負担をかけずに、全身の細胞の働きを高める成分としては代謝促進成分のL‐カルニチンがあげられています。L‐カルニチンは細胞内のエネルギー産生器官であるミトコンドリアに脂肪酸を通過させるために必要な成分で、脂肪酸と結びつくことによってミトコンドリアの膜を通過させています。
生命維持には欠かせない成分であることから、必須アミノ酸のリシンとメチオニンから肝臓で合成されているのですが、合成のピークは20歳代前半で、それを過ぎると合成量が減っていきます。その結果としてミトコンドリアへの脂肪酸の取り込みが減り、ミトコンドリア内のエネルギー代謝が低下していくことになります。
全身の細胞の働きを高めて、医薬品成分が効きやすくする成分としてL‐カルニチンは注目されています。
L‐カルニチンが、もともとは医薬品の成分であったということを聞くと、複数の医薬品成分が重なることによって起こる副作用が心配されることもあります。その心配に対しては、体内で合成されない成分でされることで応えています。L‐カルニチンのように体内で合成される成分については副作用が起こらない成分として認識されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕