脂肪代謝促進研究55 L‐カルニチンはサプリメント成分なのか

L‐カルニチンというとダイエットを目的としたサプリメントに多く使われている人気素材です。そのためにL‐カルニチンというと、他の健康食品に使われている成分のように思われてしまうこともあるのですが、生理学の講習では体内の代謝促進成分として登場します。

エネルギー源の脂肪酸を細胞のミトコンドリアに取り込むには、ミトコンドリアの膜を通過させるためにL‐カルニチンと結びつく必要があります。L‐カルニチンは脂肪酸の運び屋ということです。

代謝促進に必要ということで、L‐カルニチンは体内でアミノ酸から合成されています。それならサプリメントとして摂ることはないのではないかと言われることがあるのですが、若い人に限っては、それは当たっています。L‐カルニチンの体内での合成は20歳代前半をピークにして年々低下していきます。年齢を重ねると、だんだんと代謝が低下して、以前と同じ食事量、同じ運動量を続けていても、だんだんと太りやすくなっていくのは、L‐カルニチンの合成量の低下が関係しています。

また、高齢者の機能の低下は、L‐カルニチンが不足するためのエネルギー不足が原因であると考えられています。

L‐カルニチンは以前は医薬品の成分でした。カルニチン欠乏症の治療薬の成分でしたが、2002年に厚生労働省によって食品の成分としても使用することが許可されました。その当時は、メディアでは新たなダイエット成分が誕生したというような扱いをされていましたが、日本メディカルダイエット支援機構の副理事長は、日本のL‐カルニチンの80%を占める製薬・食品会社の研究者で、L‐カルニチンの食品の成分としての普及に尽力した第一人者です。

そのことから、初めからエネルギー代謝の促進成分として、健康増進に役立てる方法を研究してきました。研究は今も続いていて、エネルギー代謝を効果的に高める方法について講習などで紹介しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕