脂肪代謝促進研究59 肉食にL‐カルニチンをプラス

たんぱく質が多く含まれる食品は、良質なたんぱく質を多く摂るためにも、やせホルモンと呼ばれるGLP−1を増やすためにも重要なことです。GLP−1は食欲を抑える効果があり、糖尿病の治療薬としても使われています。

体内でGLP−1を多く分泌させるためには肉を多く食べることがよいとされていて、糖質制限をして肉を多く食べてもGLP−1が多く分泌されることから太りにくいとされています。

肉は重要なたんぱく源であっても、同時に脂肪も含まれています。脂肪は重要なエネルギー源ではあっても、多く摂りすぎると太る原因となります。肉は食べるべきではあるけれど、脂肪の摂取は抑えるといっても、脂身を取り除いても、赤身の中にも脂肪は含まれています。いわゆる“見えない脂肪”と呼ばれるものです。

となると、脂肪のエネルギー代謝を高めることによって、体脂肪として蓄積されにくくすればよいわけですが、そのためには通常は運動をしなければなりません。しかし、運動をしなくても脂肪の代謝を進める方法があります。若いときには、その代謝能力が高いことから体脂肪がつきにくくなっています。

その代謝に大きく関係しているのはL‐カルニチンです。L‐カルニチンというとダイエット用サプリメントの成分として知られていますが、もともとは体内で合成されて、脂肪代謝のために働いています。脂肪代謝は全身の細胞の中にあるミトコンドリアで行われています。ミトコンドリアの膜を通過して中に取り込まれるためには、脂肪酸はL‐カルニチンと結びつく必要があります。

L‐カルニチンは脂肪酸の運び役ですが、L‐カルニチンの合成は20歳代前半で、それ以降は年々低下していきます。それが年齢を重ねると代謝が低下する大きな要因となっているのです。

L‐カルニチンは以前は医薬品の成分でしたが、2002年に食品の成分としても厚生労働省に認められ、それ以降はサプリメントして活用できるようになっています。肉食が多い人、代謝が低下している人には救いの成分となっているのです。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕