L‐カルニチン供給の国内のトップメーカーはロンザ株式会社で、国内シェアの8割を占めています。1987年にスイスアルプスに設立された製薬会社ロンザ(Lonza)の日本法人で、世界35か国に拠点を構えるうちの一つです。
L‐カルニチンは肉に多く含まれ、中でも羊肉と牛肉に多く含まれています。羊肉のマトン肉では100gあたり208mg、ラム肉は80mg、牛肉(ヒレ肉)は60mg、豚肉は35mg、鶏肉は部位によって大きな違いがあって4〜9mgとなっています。
「羊肉は太らない」と言われて、人気になったことがあります。それは羊肉に多く含まれているL‐カルニチンの量が関係していました。
L‐カルニチンは細胞のミトコンドリアの膜を脂肪酸が通過するときに必要となるため、エネルギー代謝を高めて、そのために太りにくいということは事実です。しかし、羊肉にも脂肪が多く含まれていて、食べ過ぎればエネルギー源の摂りすぎになります。ミトコンドリアに多く脂肪酸が取り込まれても、運動や活動によってエネルギー化させなければ、太ることにもなります。
L‐カルニチンが多く含まれるとしても、マトン肉ばかりを食べているわけにはいきません。マトン肉はラム肉よりも食べにくいのですが、羊肉なら同じだろうと考えて、実はあまり多くはないラム肉を食べている人も少なくありません。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)によれば、脂肪の摂取は全エネルギー量の20〜30%とされ、そのうち不和脂肪酸の割合は7%以下にすることが求められています。飽和脂肪酸が多い肉を食べすぎないように求められている時代には、L‐カルニチンはサプリメントとして摂るほうが合理的な方法といえます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕