脳の健康寿命100 高血圧の診断基準

正常血圧の範囲は、収縮期が130mmHg未満、かつ拡張期が85mmHg未満となっています。高血圧は、収縮期が140mmHg以上、または拡張期が90mmHg以上で、その程度によってⅠ度高血圧、Ⅱ度高血圧、Ⅲ度高血圧に分類されています。
正常血圧と高血圧の間は、正常高値血圧と分類されています。現在は高血圧とはいえない状態であるものの、将来は高血圧になる確率が高いグループであり、高血圧予備群とも呼ばれます。
血圧は、診察時の測定と家庭で測定したときに違いが見られることがあるため、家庭血圧では収縮期が125mmHg未満、かつ拡張期が80mmHg未満とする低めの基準も示されています。医療機関での血圧測定は緊張感もあり、医療機関に行くために普段と異なる生活(早起きや長時間の移動、待ち時間など)をすることでも血圧は高まりやすくなります。
血圧は対象者によって危険度が異なることから、対象者別に降圧目標が掲げられています。糖尿病や腎臓病を持っている人、心筋梗塞後患者、脳血管疾患患者の降圧目標は厳しくなっています。つまり、疾病のない人よりも低めの数値が目標とされているわけです。
血圧は40歳を過ぎるころから上昇する傾向があり、性別でみると50歳代までは男性のほうが血圧は高く、60歳以降では女性のほうが高くなっています。これまで血圧が高くなっていなかったからと安心して、血圧測定をしないというのはよくないということです。
血圧は季節によって変動しやすく、寒い季節には高くなる傾向があります。1日のうちでも変動があり、日中の活動中にも血圧は上昇します。そのため、朝に目覚めて布団の中で安静にしているときが、最も血圧の測定に適している時間帯とされています。