必要な栄養素を不足することなく摂れるように、積極的に食べるべき食品が示されています。一般には栄養学で使われる6つの基礎食品群が採用されていますが、もっと簡単にわかるように標語が作られています。それは「まごわやさしい」です。
この言葉は、豆(ま)、ごま(ご)、わかめ(わ)=海藻、野菜(や)、魚(さ)、しいたけ(し)=きのこ、芋(い)を表しています。これらには、糖質(芋)、脂質(魚)、たんぱく質(豆、魚)が含まれ、不溶性食物繊維(野菜、芋)と水溶性食物繊維(海藻、きのこ)も含まれています。さらにビタミン、ミネラルの補給に必要な食品ではあるものの、食卓にのぼりにくいものもあります。
「まごわやさしい」に2文字「たち」を加えた「まごたちわやさしい」も最近使われるようになりました。加えられたのは卵(た)、乳(ち)=乳製品で、骨粗鬆症の予防のために骨に必要なカルシウムとたんぱく質を多く摂ってもらうことを目指しています。「まごわやさしい」では不足しがちな動物性たんぱく質を摂ることで、良質なたんぱく質を複数の食品から摂ることが求められています。
この他に食卓にのぼる料理を色で考える方法もあります。肉類が多い食事では茶色が多くなりがちです。これに緑色の野菜を加えて、さらに野菜も赤(ピーマン、トマト)、黄(ピーマン、とうもろこし)、紫(なす)、白(ねぎ)を加えます。同じ茶色であっても大豆や味噌、きのこを加えます。黒(海藻、ごま)も加えると、さらにバランスがよくなります。白はご飯だけというのではなく、牛乳やヨーグルトを加えることも考えます。
さらにデザートにフルーツ(果物)を加えると、より色鮮やかな食卓になります。色鮮やかな野菜は紫外線を浴びることによって抗酸化成分(ポリフェノールなど)が蓄えられています。フルーツの多くは赤道近くの特に紫外線が強い地域が原産地であることから抗酸化成分が豊富に含まれています。色によって抗酸化成分の違いがあることから、同じ野菜、果物、魚であっても色の種類を増やすことで多くの成分を得て、より健康で美しくなることを目指すことができるようになります。