日本人は今でこそ世界に誇る長寿国となっていますが、日本人の平均寿命の推移を見ると、男女ともに55歳を超えたのは第二次世界大戦の終戦直後の1947年(昭和22年)のことで、男性が50.06歳、女性が53.96歳となりました。3年後の1950年(昭和25年)には、女性の平均寿命が60歳を超え、それに続いて1955年(昭和30年)には男性も60歳を超え、それ以降は急速に平均寿命が延びました。
1977年(昭和52年)には男性の平均寿命が77.69歳と世界第1位となり、続いて1984年(昭和59年)には女性が80.18歳と第1位となりました。2018年(平成29年)の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.26歳(平成29年簡易生命表)と、男女ともに過去最高を更新したものの、世界の順位では男女ともに第2位と延びは緩やかになっています。この平均寿命の延伸によって、一世代(30年)分の住民が出現することとなりました。この一世代(30年)分の住民は高齢化率を引き上げ、世界に類を見ない超高齢社会に突入しています。
健康寿命は延伸しているものの、平均寿命の延伸と同様の傾向で推移していて、平均寿命と健康寿命の差(延命寿命)は男性が8.84年、女性が12.35年と現在は差が縮小傾向にあります(2016年調査)。
健康寿命の延伸は、個人や家族だけでなく、地域、自治体にとっても、そして国にとっても大命題となっています。地域で生活する人が健康の維持・増進を幸せと感じることができるようにするためには、身体的な健康度の向上とともに、認知機能の維持・向上も重要となります。身体的には問題がない方でも認知機能が大きく低下すると自立した生活が送りにくくなり、これが健康寿命を短くする要因にもなっています。