脳の健康寿命36 アルツハイマー型認知症を軽減させる

アルツハイマー病は根本的な予防法はないとされていて、脳血管の疾患は高血圧、糖尿病、脂質異常症などの血管にダメージを与える疾患を予防・改善することによって防ぐことができるものです。アルツハイマー型認知症の中には、脳血管疾患がなければ認知症まで進まなかったものもあり、これは予防することも状態を軽減させることもできる認知症ということができます。
では、アルツハイマー型認知症は予防できないのかというと、そんなことはありません。
アルツハイマー型認知症の発症に関わる食品として魚があげられています。毎日1回以上、魚を食べている人に比べて、ほとんど魚を食べない人のアルツハイマー型認知症の危険性は5倍にもなっているとの報告があります。これは魚に含まれる脂肪酸のDHAやEPAによるものと考えられています。野菜や果物の摂取量が多いとアルツハイマー型認知症の発症率が低いとの報告もあり、中でもビタミンEの摂取量が多い人は少ない人と比べて危険度が30%ほどにも下がっていたといいます。
また、アルツハイマー型認知症では神経伝達物質のアセチルコリンが減少することから、アセチルコリンの材料となるコリンの摂取も有効とされています。コリンはビタミン様物質で、細胞膜や神経細胞の材料となります。コリンの不足は脳の神経細胞の減少に関係があることが指摘されていて、コリンは卵黄やレバー、大豆などに豊富に含まれています。
アセチルコリンには、血管を拡張して血流を促進する作用があることから、それが広く認知症の予防につながります。コリンとビタミンB₁₂との組み合わせがアルツハイマー型認知症を改善したとの報告もあり、アルツハイマー型認知症は改善されないものと諦めるのではなく、取り入れる価値は充分にあります。