脳の健康寿命45 活性酸素を消去する抗酸化ビタミン

脳の神経細胞は活性酸素によって、細胞膜が酸化することで神経細胞の死滅が多くなり、これが認知症の進行を早くすることが知られています。また、血管が活性酸素によって酸化すると血流低下のために脳細胞に届けられる酸素が減って、これも認知症を進行させる要因となっています。
吸い込んだ酸素のうち2〜3%は活性酸素に変化するので、発生した活性酸素は早めに消去して、その害を減らすようにしたいものです。
活性酸素を消去する成分のビタミンA、ビタミンC、ビタミンEが抗酸化ビタミンのACE(エース)と呼ばれています。活性酸素は酸素の電子のバランスが崩れたもので、マイナスの電子が1つ欠けています。ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEはともに活性酸素にマイナス電子を与える働きがあり、これによって活性酸素を正常な酸素に戻していきます。
最も早く電子を与えるのはビタミンCで、電子を与える力が最も早いのはビタミンEです。同じだけの抗酸化ビタミンを摂るとしたら、ビタミンEが効果的であるように考えられます。しかし、多く摂れば抗酸化力が高まるというものではありません。
ビタミンAもビタミンCも活性酸素に電子を与えたあとには破壊されます。ところが、ビタミンEは電子を与えても、破壊されずに残ります。電子が欠けた状態で残ることから、その欠けた電子を他のところから奪っていきます。そのために活性酸素と同じような状態になってしまいます。
この電子が欠けたビタミンEに電子を与えて正常なビタミンEに戻してくれるのはビタミンCの働きで、ビタミンEはビタミンCと一緒に摂る必要があります。だから、抗酸化ビタミンのサプリメントにはビタミンCとビタミンEが一緒に使われているものが多くなっているのです。