新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、外出が自粛となり、運動不足の前に歩く時間が減り、家にいる時間が増えたことによる食べ過ぎ、健診・検診の減少、通院機会の減少があり、さらにストレスの蓄積と健康の維持にとってはマイナスになることが続きました。その影響は収束してきても、再感染や他の感染症のリスクがなくなったわけではありません。
マスクをつけ続けるだけでもストレスであり、脳の健康寿命ということでもストレスに酸素不足は決してよいことではありません。マスクをしていると吸い込む酸素量が減ると同時に、本来なら吐き出されるはずの二酸化炭素を再び吸い込むことになるので、相対的に吸い込む酸素量が減り、脳に届けられる酸素量も減ってしまいます。
酸素を全身に運んでいるのは血液中の赤血球で、運動不足で血流が低下するだけでなく、ストレスでは自律神経の交感神経の働きが盛んになって血管が収縮することによって、さらに血流が低下してしまいます。食べ過ぎで血液中のブドウ糖や中性脂肪が増えることでも血流は低下します。
8020運動の観点でも外出して身体を動かすことは大切です。8020運動というのは、80歳になっても自分の歯を20本以上保つことによって健康寿命を延ばすことを目指しています。歯が丈夫なら、よく噛める、栄養が補給できるというだけでなく、外出して食事をするなど活動的になり、これが身体の健康の維持につながると考えられています。身体の健康には脳の健康も含まれていて、いろいろと関心をもって活動することが脳を刺激して、これが認知症を予防することになり、脳の健康寿命を延ばすことにもつながるということです。