脳の健康寿命を延伸させるためには、高齢者の身体的特徴について理解しておくことが大切となります。生理学的変化の影響で食事量の変化も生じてくることが多く、その特徴として五感の感覚のうち視力、嗅覚、味覚の低下・鈍化があげられます。また、消化の低下や食事をするために必要な運動機能の低下も大きな影響を与えています。
*視力の低下
視力の低下で色彩による刺激が弱まっていきます。
*嗅覚の低下
嗅覚の低下でおいしさが感じにくくなります。
*味覚の鈍化
しょっぱい味が一番先に鈍麻しはじめます。低下を補うために塩分の強いものや、過剰に甘いものを好むようになります。
*消化液の分泌低下
唾液の分泌が減少するため、乾燥した食品や固形物は食べにくくなり、水分の多いものを好むようになります。各人の消化・吸収の能力以上に蛋白質や脂質を摂取すると下痢を起こしやすくなります。
*消化管の運動機能の低下
消化管の蠕動運動が低下して消化・吸収が低下します。
*運動機能の低下
全身の運動機能低下によって食事に関する動きが低下します。

