脳の健康寿命78 糖化と老化のメカニズム2

AGEsが細胞の受容体に結合すると活性酸素が発生します。
活性酸素は、通常の酸素の電子バランスが崩れたものです。通常の酸素はプラスとマイナスの電子が4対(4個ずつ)ありますが、そのうちマイナス電子が1つ欠けた状態になっています。この欠けているマイナス電子を他のものから取って、通常の酸素に戻っていきます。マイナス電子を奪われたものは酸化することになります。
糖化による変化は酸化によって加速することになり、健康のためには抗糖化対応とともに、抗酸化対応も必要になります。
AGEsが発生する原因としては、血液中のブドウ糖の量の増加のほかに、果糖の過剰摂取、高中性脂肪、アルコール摂取過剰、喫煙、睡眠不足によっても促進します。また、糖化反応は卵巣機能にも影響を与え、生理不順や不妊の原因の一つともされています。
血糖値、中性脂肪値、LDLコレステロール値が適正な状態になることでAGEsの生成を減らすことが可能であり、生活習慣病の予防にもつながるエネルギー代謝の向上は皮膚の健康を保つ基本となることが理解できます。細胞内のブドウ糖が多くなりすぎると、ブドウ糖がミトコンドリアに反応して、TCA回路の反応を低下させ、代謝によるエネルギーの生成も低下させます。
糖化反応によるAGEsの生成を抑え、体内からの排泄を進める酵素があります。この酵素の活性は加齢とともに低下していきます。酵素の活性を高める方法は現状ではないため、体内のブドウ糖を減らし、血糖値を安定させることが、糖化反応を抑制する最良の方法といえます。
アルコールは体内でアセトアルデヒドに分解されると、糖化反応を進めることが知られています。そのためアルコール飲料の摂取量を減らすことも必要になります。