全国に小江戸と呼ばれる都市があります。江戸のように栄えた町、江戸時代を感じさせる町といった意味合いで使われていて、地域おこしの走りのようなものです。その代表とされるのは川越・埼玉県(川越市)、佐原・千葉県(香取市)、栃木宿・栃木県(栃木市)です。小江戸と呼ばれるためには古い町並みが残っていて、観光地であることが現代的な定義となっています。
川越は江戸の北に位置していて、川越街道が整備され、川越夜船と呼ばれる夕方に荷を積んで川越城下を出て、朝には江戸に着くという船の往来が盛んで、それくらい近いところであったことから、川越は江戸文化を色濃く残すことになります。
川越大師・喜多院には江戸城の建物の一部を移築して、徳川家光誕生の間、春日局化粧の間が今も残されています。江戸時代から「世に小京都は数あれど、小江戸は川越ばかりなり」と謳われていて、小江戸のトップであるのは地元だけでなく、多くが認めるところです。三大蔵の町の一つにも数えられています。
佐原(さわら)は北総の小江戸と呼ばれる水郷の町で、「お江戸見たけりゃ佐原へござれ、佐原本町江戸まさり」と謳われた商家の町です。全国を歩いて日本地図を初めて作った伊能忠敬が商人として活動していたことでも知られる利根川水運の拠点です。
栃木宿は城下町で、日光例幣使街道の宿場町で、蔵の街としても知られています。小江戸だけでなく、小京都、栃木の倉敷も名乗っています。栃木県の現在の県庁所在地は宇都宮市ですが、明治の初めには栃木県の県庁は当時の栃木町(現在の栃木市)にありました。
この他にも小江戸と呼ばれる都市はありますが、その中で著名なものとしては大多喜・千葉県(大多喜町)、厚木・神奈川県(厚木市)、甲府・山梨県(甲府市)、掛塚・静岡県(磐田市)、彦根・滋賀県(彦根市)があげられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕