全国の城下町、門前町には銘菓がつきものです。数ある中から三大銘菓と呼ばれるのは、ほぼ固定されていて、落雁の長生殿(石川県金沢市・森八)、山川(島根県松江市・風流堂)、越乃雪(新潟県長岡市・大和屋)です。
これらを思い浮かべながら、脳にも栄養を届けて、絶好の脳トレの場になればと思います。
長生殿は加賀藩・前田家の3代目藩主の前田利常が発案して、茶道遠州流開祖の小堀遠州(大名・小堀政一)が命名して誕生したと伝えられています。
山川は松江藩の7代目藩主の松平治郷が発案したとされます。治郷公は茶人の不昧公(ふまいこう)としても著名で、今でも不昧公好みと言われる銘菓を生み出しています。一時期は途絶えていた山川を松江の和菓子店の風流堂が復刻させています。
越乃雪は越後長岡藩の9代目藩主の牧野忠精の時代に、藩主の病気見舞いに大和屋庄左衛門が献上したことが原型となっています。これを機会に大和屋は御用菓子舗となりました。
庶民の菓子ということでは三大まんじゅうが著名です。饅頭は全国で作られていますが、日本三大まんじゅうサミットが開かれてから、塩瀬総本家(東京都中央区)の志ほせ饅頭、柏屋(福島県郡山市)の薄皮饅頭、大手饅頭伊部屋(岡山県岡山市)の大手まんぢゅうが三大まんじゅうと固定されるようになりました。
志ほせ饅頭は大和芋に上新粉、砂糖を使った皮で餡を包んだもので、塩瀬総本家は660年の歴史がある饅頭の発祥とされています。薄皮饅頭は、160年の歴史がある。その名のとおり薄い皮で包んだつぶあんとこしあんの饅頭です。大手まんぢゅうは甘酒の香りがする薄皮中の薄皮で包んでいるので餡が透けてみえています。餡そのものを食べているという感じです。
どれも薄皮なので、本来なら三大薄皮まんじゅうとすべきだったのかもしれませんが、言ったもの勝ちで、まんじゅうそのもののトップ3となっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕