脳トレ2:クイズを解けば認知機能は高まるのか

テレビのクイズ番組は視聴率が取れるうえに、打ち合わせの時間が少なく、制作費も安く済むというので、盛んに放送されています。いわゆるクイズなので、一般常識が問われる内容となっています。

中には解答者のトンチンカンな返答を、他の解答者やMCやアシスタントが笑う、視聴者にも笑ってもらおうという番組もあって、これはクイズ番組なのか、それともお笑い番組なのか判断がつかないものも目立っています。

比較的簡単な問題なので、全部に回答したからといって、それで頭がよい、認知機能が維持されていると判断ができるようなものではありません。すべての問題と解答が放送されるわけではなくて、以前、これは秀だと思える問題がボツになったと番組ディレクターから聞いたことがあります。

その問題は「江戸の五節句」を答えるもので、1月7日の人日(じんじつ)、3月3日の上巳(じょうし)、5月5日の端午(たんご)、7月7日の七夕(しちせき)、9月9日の重陽(ちょうよう)が正解です。

企画段階では、1月1日の元日をあげたり、3月3日を雛祭り、5月5日を子供の日、7月7日を七夕(たなばた)といった間違いをしたり、重陽がわからないということが想定されていたそうです。

解答者の中には模範解答をする知能派の芸能人も含まれているので、五節句を答えられても、少し間違っていて、そこを指摘するという内容が考えられたということです。ところが、解答者が1人もいなくて、しかも江戸時代初期に定められた五節句であることもわからない、ということで、収録はしたものの放送はされなかったボツネタとなりました。

知識というのは、ただ言葉として知っているということではなくて、その意味や背景などがわかっていることで、それを他の知識とつなげたり、記憶を整理して、脳の機能を高めていくことができるようになります。クイズ番組をボーッと見ているのではなく、気になることがあったらチェックして、そこから調べて知識を深めていこうという意識が、脳の機構を高める秘訣となります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕