腸内環境のためのタイプに合わせた入浴法

自宅で便秘を解消できるタイプ別の入浴方法があります。弛緩性便秘と直腸性便秘では、腸の働きを活発にすることが大切なので、自律神経の副交感神経の働きを高めるために、40℃前後のぬるめのお湯が適しています。自律神経は興奮系の交感神経と抑制系の副交感神経に分けられていて、入浴の温度でいうと42℃以上で交感神経の働きが盛んになります。副交感神経の働きが盛んになるのは38〜40℃で、この温度帯のお湯にゆっくりとつかることでリラックスことができます。
腸の蠕動運動と吸収を進めるのは副交感神経のほうで、入浴によって心身ともにリラックスすることは便通を正常にする効果があるということです。交感神経の働きを盛んにすることによって入浴によるダイエット効果を高めることができるのですが、便通のことを考えたら温度調整は大切です。
身体が充分に温まったら、次はマッサージタイムです。お湯の中で腹部のヘソを中心に、右から左へ時計回りに「の」の字を書くように、手のひらでゆっくり5~10分間マッサージします。お湯の中で腹部をふくらませたり、へこませたりする腹筋運動を10~20回行うのも効果的です。
痙攣性便秘は、腸の緊張が強すぎるために起こっているので、リラックスできるように、好きな香りのハーブや入浴剤を入れて、ぬるめのお湯で半身浴をするという方法もあります。しばらくお湯につかった後に追い炊きし、お湯の温度を徐々に上げて42℃くらいで止めて、3~5分ほどつかるようにします。
お湯から上がってからもマッサージの効果が高まる時間は続きます。湯船から出たら少し休息をして、腸の緊張を解消するために、少し熱めの43℃のシャワーを腹部にあてながら、手のひらで「の」の字を書くようにマッサージします。
腸が温まると、高めの温度で増殖しやすくなる善玉菌の動きが活発になっていきます。悪玉菌は腸の温度に関係なく増えていくのですが、善玉菌は温度が高めでないと増殖しないので、便通のために善玉菌を増やして、悪玉菌を減らすためには腸を温める入浴が大切になります。また、浴室から出てからも、腸を冷やさないようにすることが大切です。