腹八分目というのは食べる量を二分減らす、つまり20%OFFにすることで、ダイエットのための食事指導の時に無理なく減らす量の目安とされています。腹八分目の量にするとき体調がよくなるという人も少なくありません。その理由として体重が減って体が軽くなり、血液中のブドウ糖や中性脂肪の量が安定して血液の流れがよくなるからだ、という説明がされています。しかし、それ以外に細胞のミトコンドリアによって作り出されるエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が活動するために使われることもあげられます。
ミトコンドリアはブドウ糖や脂肪酸をエネルギー源として酸素を用いてATPを産生しています。食べすぎて血液中のブドウ糖や脂肪酸が多い状態では、ミトコンドリアの中にブドウ糖を取り込むα‐リポ酸、脂肪酸を取り込むL‐カルニチン、ミトコンドリア内でATP産生を進めるコエンザイムQ10が多く使われています。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は三大ヒトケミカルと呼ばれますが、この三大ヒトケミカルは体内で合成される量がほぼ決まっています。20代をピークに加齢によって合成量が減って行くので年齢を重ねた人は食べすぎると、それをエネルギーにするために三大ヒトケミカルが使われて、食事の後の時間帯に使われる三大ヒトケミカルの量が減っていきます。そのために活発に動こうとしても思ったようにエネルギーが作られないということも起こります。
こういったことが起こらないようにするためには、食べすぎを抑える腹八分目の食べ方がよいことになります。1日に食べる量が同じだったとしても、3食の量を平均化してブドウ糖や脂肪酸のピークを低くすることで、三大ヒトケミカルが急に減らないようにするということです。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を、ご覧ください。