自粛をしないで感染した人への罰則は考えていないのか

新型コロナウイルス感染拡大を収束させることを目的にして、“国民の緩み”を抑え込むように、緊急事態宣言に従わない飲食店に対する罰則規定の導入が検討されています。20時以降も閉店しないで営業を続けている飲食店に対する処置だということですが、これをきっかけとして外出自粛をしない人に対しても罰則が科されるのではないかという不安も広がっています。
緊急事態宣言が発令された地域住民は、20時以降の外出の自粛を求められているわけではなくて、「特に20時以降の外出」の自粛となっていました。わざわざ“特に”とつけられているのは、それ以外の時間にも外出自粛が求められているわけで、これに対してメディアは「常に」という言葉を外出自粛の前につけて報道しています。こんなことをしなければならないということは、いかに国民が理解していないかを示しています。そして、緊急事態宣言の延長では、昼間の外出自粛が付け加えられました。
単に閉店時間を守らなかった店への罰則ではなくて、充分な感染対策を実施しないまま営業をして、そのために感染を拡大させてしまった店への罰則なら理解はできても、ただ時間だけで区分けをするというのには抵抗感がある人も少なくないはずです。店には罰則を科すことができても、これまで蔓延をさせてしまったのに、外出したら罰則、感染したら罰則というのは無理があります。しかし、緊急事態宣言の内容を守っても感染してしまった人と、守らずに自由に行動をした結果として感染した人では違いがあってもよいのではないかという考え方もあります。
これは罰金を取るというようなことではなくて、国民健康保険の場合には3割負担が1割増えて4割負担になる、2割増えて5割負担になるというような抑制力を持たせた方法となります。
外食をするにしても、今のところは飲食店の情報を集めたウェブサイトは料理やサービスの内容での評価ばかりで、コロナ対策についての評価はありません。この評価がされていたとしたら、安全な店を選んで外食をすることができるし、もしも感染しても安全情報に基づいて、個人としても完全対策をしながら食事をしていたのだから、罰則を受けるようなことはないということであってもよいのではないでしょうか。
とは言いながらも、感染のリスクが高いのは飲食店でもなければ、その店で働く従業員でもなく、一緒に店の中にいた他の客なので、その人たちから感染しないように最大限の注意をしなければならないのは当然のことです。