自閉症の子どもに必要な指導内容2

文部科学省の「初めての通級による指導を担当する教師のためのガイド」の中から、発達障害に関する部分について紹介しています。自閉症の子どもに必要な指導内容として、自閉症・情緒障害特別支援学級実施する教育内容・方法の第2弾を紹介します。
運動機能、感覚機能を高めるための指導として、動作の模倣、遊具や道具を使った運動などにより、自ら身体を動かそうとする意欲を育て、協応動作など運動機能の調和的発達を図るように指導を行っています。特に視覚、触覚などを適切に活用することにより、目的のある行動を身につけることを狙いとして、さらに指導方法についても、教材・教具を工夫するなどされています。
言葉の内容を理解するための指導として、人の言葉に注意を向ける、人の話を聞く、返事や挨拶をするなどの必要な態度を形成して、人とのかかわりを深めるための基礎づくりを狙いとして指導が進められています。また、注意力や集中力を身につけ、言葉を理解するとともに、実際の生活に必要な言葉を適切に使用できるように指導されています。例えば、模型の電話やマイクを使って話すことなどの場面の設定、創意工夫された絵カードや文字カードなどの教材・教具などが活用されています。
人とのかかわりを深めるための指導として、1日の生活リズムを体得することにより、情緒の安定を図り、友達や教師と一緒に活動する喜びや楽しさを味わい、集団の雰囲気になれることを狙いとした指導が行われています。例えば、動作の模倣、遊び、劇、係活動など、いろいろな活動を通じて、集団での役割を理解して、相手の立場が理解できるようにすることです。
また、一人ひとりの子どもの学習状況などに応じて、交流と共同学習として、通常の学級での授業(国語、音楽、図画工作、体育など)や特別活動に参加して、人間的な触れ合いを深め、集団参加が円滑にできるよう、きめ細かく配慮されています。
通級による自閉症についての指導には、基本的に特別支援学校などの自立活動を参考とした指導を中心にしながら、社会的適応性の向上を目的として、自閉症・情緒障害特別支援学級と類似した同様の狙いで取り組みがなされています。