薬の副作用はサプリメントで減らせるのか

医薬品には副作用があり、医薬品が複数で使用されると副作用が強まることが指摘されています。中でも高齢者は複数の使用で副作用のリスクが高まることが指摘されていることを受けて、高齢者の適正な医薬品の使用のための指針が打ち出されることになりました。副作用を防ぐ方法は他にもあるのではないか、という考えから、私たちのところに「サプリメントで副作用は弱められるのか」という質問が寄せられました。今回は、いつものメディア関係者からではなく、薬学の研究者からでした。
サプリメントの研究成果を薬学の世界でも役立てようという動きは以前からあって、サプリメントアドバイザリースタッフの一つの団体である日本食品安全協会が認定する健康食品管理士は薬学系の大学でも教育が実施されています。医薬品と健康食品・サプリメントには相互作用があります。これは医薬品と健康食品・サプリメントを同時に使うことで、複数の医薬品を使ったときの副作用と同じような健康被害が出ることを一般には指しています。
欧米では、相互作用の考え方が少し違っていて、副作用としての健康被害のほかに、プラスの効果もあげられています。これは何かというと、例えば血圧を下げる医薬品を使っている人が、血圧を下げる作用があるサプリメントを使っている場合には、両方の効果を検討して医薬品の量を減らすという考えです。それをバックアップするためのデータベースがアメリカには存在しています。
厚生労働省によると、医薬品を使っている75歳以上の約40%が1か月間で5種類以上、約25%が7種類以上を処方されているということです。65〜74歳でも30%近くは5種類以上の医薬品を使っています。これは一か所の薬局での場合の調査結果で、複数の薬局を利用していると、さらに増えるのはよくあることです。
高齢になると代謝が低下しているために、体内での医薬品の分解に時間がかかり、体内で濃度が高くなりやすくなっています。そのために排出されるまでに時間もかかって、より副作用が出やすくなります。これが副作用だとわかっていればよいのですが、それに気づかずに他の医療機関を受診して、さらに医薬品が出されて、副作用を強めることにもなりかねません。
他の医療機関を受診しても、そこで使っている医薬品の種類を確認して、訴えている症状は副作用によるものなのか、それとも新たに発症した疾患のためなのかを確認して、それから医薬品を出してくれれば問題はないと思うのですが、そうではないことが起こっているのも事実です。
そこで新たな指針の登場となるわけですが、医薬品の分解に時間がかかっている人は細胞の代謝を高めて解決することも可能です。また、排出に時間がかかっている人も腎臓の細胞の代謝を高めて解決することが可能となっています。そこでサプリメントの登場となるわけですが、細胞レベルから代謝を高めるために必要となるのが三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10です。高齢者は三大ヒトケミカルの体内での合成が低下して、代謝が低下しているので、三大ヒトケミカルを摂ることで分解も排出も高めることができるようになる。
三大ヒトケミカルの摂取によって代謝が促進され、作り出されたエネルギーが細胞の働きを活性化するので、細胞の中での分解と排出のための働きが高められることになります。このことから、私たちは副作用を減らすために三大ヒトケミカルをすすめているわけです。