バランスボールを用いたバウンドボール運動は、筋肉トレーニングによる白筋強化のための運動のあとに実施する有酸素運動としてフィットネスクラブなどで採用されています。白筋は無酸素運動で使われる筋肉で、強く刺激することで筋肉を増強することができる筋肉と認識されています。
一般にバランスホールというと、体幹トレーニング用の運動器具というイメージで、バウンド運動は体幹トレーニング前の準備運動のような位置付けで知られています。ところが、前回まで紹介してきたように、有効な有酸素運動であり、筋持久力や筋代謝力に関わる赤筋を強化する運動となっています。さらに白筋を徐々に赤筋化させて両方の筋肉の利点を併せ持ったピンク筋に変えていく運動としても知られています。
このバウンドボールによるバウンドボールを有酸素運動に使うきっかけとなったのは、東京にいたときに私が理事を務めていた公益財団法人日本健康スポーツ連盟の活動が関係しています。同連盟は、厚生労働大臣認定運動型健康増進施設の調査と指導を行う唯一の団体です。厚生労働大臣認定運動型健康増進施設は、健康増進のための有酸素運動を安全かつ適切に行うことができるフィットネスクラブなどの施設を指しています。現在は全国で330ほどの施設が認定されています。
フィットネスクラブというと、全身の筋肉を効果的にトレーニングできる施設で、どちらかというと白筋を鍛える施設という印象があるのですが、厚生労働大臣認定運動型健康増進施設の規定には「健康増進のための有酸素運動」と書かれています。有酸素運動としてはウォーキング・ランニングマシンが設けられていることが多く、バランスボールが置いてあっても軽い運動、準備運動に使われているのがほとんどです。
無酸素運動をすると疲労物質とされる乳酸が発生しますが、その後に有酸素運動をすると乳酸がエネルギー源として使われます。そのためにバランスボールを用いないのは勿体ないのではないか、とボディビル選手とトレーナーに話したことから、一緒に研究を始めたのがバウンド運動をダイエット講習の実践法として採用するきっかけです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕