活性酸素は一般には“細胞を酸化させるもの”と認識されることが多いようです。“細胞をサビさせる”という表現をされることもあります。活性酸素を消去させるものとしてポリフェノールが知られていますが、そのきっかけとなったのは板倉弘重医学博士の研究です。
板倉先生は以前は国立健康・栄養研究所の臨床栄養部長を務めていて、当時の私は臨床栄養の世界にいて、日本臨床栄養協会、日本臨床栄養学会の仕事もしていたことから、気軽に出入りをしていました。板倉先生は動脈硬化と赤ワインのポリフェノールとの関係を研究して、これがメディアで大きく取り上げられました。板倉先生は日本ポリフェノール学会の創設者であり、現在も理事長を務めています。
テレビ番組で初めて活性酸素について語った久郷晴彦薬学博士は、板倉先生と親しく、板倉先生の研究成果をベースにして、植物の色素が活性酸素を消去すること、色素が多くて色が濃いほど抗酸化力が強いことを広く知らせる役目をしました。久郷先生は「活性酸素は細胞の“産業廃棄物”」という表現をしていました。板倉先生は東京にいたときの私の主治医で、久郷先生は私の義父という関係です。
これをきっかけとして空前の赤ワインブームが起こり、次々と抗酸化成分(フラバンジェノール、カテキン、ブルーベリー、ビルベリー、カシス、ルテインなどなど)が紹介され、それはコエンザイムQ10の登場まで続きました。
活性酸素の発生の仕組み、消去の仕組みについては研究が進んで、これ以上の発見はないというところまで来ているのに、いまだに一般には知られていません。仕組みがわかれば、何をすれば発生や健康被害が減らせるのか、何を摂取するのがよいのかがわかります。その研究成果を健康を気づかう方々に知ってもらうために、着々と準備を進め、講習テキストとして使えるコンテンツを完成させることができました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕