パワーポイントのスライドショーを使って、そこに示される図表などを指し示して話を進めるというのは講演の基本的な姿です。図表を書き写すわけにはいかなくても、重要ポイントだけを書き写すことならできます。しかし、その内容が複雑になるほど書き写すのには手間がかかり、話に集中できないということもあります。
そんなことにならないように、書き写すことがないような内容、書き写すとしても少なくて済む内容にしようという工夫をしている講演者もいます。一番よいのは、書き写さなくてよいようにしておくことで、私たちの講演では書き写したくなることは事前にプリントして渡すようにしています。
それが行き過ぎると、講演なのかテキストを使った講習なのかわからなくなってしまいますが、プリントを配布することでも苦情が出ることがあります。その苦情は、プリントを配られる側ではなくて配るほうからで、作業量が多くなる、経費もかかるということが一つの理由です。
もう一つの理由が、あまり考えたくはないことなのですが、他の講演者からの苦情です。受講者へのサービスを一人だけで行うと、他の講演者の配慮が足りないように見えてしまうので(実際にそうかもしれないのですが)、配布を控えるように、配布をしないように言われることがあります。
そんな理由のときには、自分が勝手にプリントして持っていく、自分やスタッフで配布して主催者に迷惑をかけないようにする、ということでもしにくくなります。
そんな状況もあるので、余計にメモなどしなくても済むように、プリントを用意するのは、他に講演者がいないとき、自分だけが話をするときだけに限るようにしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕