赤筋を増やす筋肉運動の種類

脂肪は筋肉の中で燃焼されているので、筋肉が増えると脂肪も多く燃焼する、ということが一般には言われています。そこで筋肉を増やすためにダンベルを使った筋肉運動をすればダイエットできるというので人気になったのがダンベルダイエットでした。ダイエット情報のテレビ番組のネタとして、以前に流行したダイエット法を現在の医学・科学で検証するという企画が持ち込まれ、そこでダンベルダイエットについて説明しました。
筋肉は機能によって大きく白筋(速筋)と赤筋(遅筋)に分けられます。ダンベルを使った筋肉運動は無酸素運動で、白筋を刺激して増やす作用があります。筋肉隆々の人は白筋が多いわけですが、脂肪を主に燃焼させているのは白筋ではなく、赤筋のほうです。赤筋の細胞には脂肪を燃焼させてエネルギーを作り出しているミトコンドリアが特に多くあり、赤筋を増やす運動をすることが必要になります。
赤筋は有酸素運動を行って、脂肪の燃焼が盛んになると、燃焼させる部分を多くするために増えていきます。つまり、赤筋を増やして脂肪燃焼を盛んにするには、脂肪燃焼が盛んになる有酸素運動をすることが有効になるということです。
赤筋が増えるだけでなく、有酸素運動を継続的に行っていると、エネルギーを多く作り出すためにミトコンドリアも増えていきます。ミトコンドリアは体重の10%ほどを占めるほど体内には多いのですが、これが少しでも増えるとエネルギー効率が高まっていきます。これは脂肪が燃焼しやすい、ダイエットできるということだけではなく、ミトコンドリアで作り出されるエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)は全身の細胞を働かせるための活動エネルギーであり、活力のためのエネルギーにもなっています。細胞の再生にも、免疫力を高めるのにも使われるので、赤筋が増え、ミトコンドリアが増えることは健康づくりの基礎となります。
一番簡単な有酸素運動というと歩くことですが、ただウォーキングを紹介するだけではテレビ番組としては寂しい感じがするということで、ノルディックウォーキングを紹介しました。ノルディックウォーキングはポールを用いて勢いよく大股で前進するので筋肉に負荷が強くかかります。歩くだけで筋肉が増えるのかという人がいるかと思いますが、運動選手でなければ筋肉の多くは下半身と腹筋、背筋が占めていて、勢いよく歩くことで、これらの筋肉の中にある白筋も鍛えることができます。