起きがけの冷水で便通を促進

便秘になっても大腸内が満杯状態にならないのは、大腸が次々と水分を吸収することで便の水分が取られて減り、固く、小さくなっているからです。この状態を放っておくと、どんどん固くなって普通の方法では出ないということにもなりかねません。水分が足りないなら水を飲めばよいという考えは安易にも思えるかもしれませんが、案外と便通の効果があるのです。
便通が悪くて便が固くなった状態のときに便を軟らかくして便通を促進するためには大腸内の水分を増やすことが、まずは必要になります。1日の水分摂取量は一般には飲み物から約1ℓ、食事から約1ℓ、合わせて約2ℓといわれていますが、便秘ぎみの人は飲む水分量が少ない傾向があります。そこで飲む水を増やすことと、飲むタイミングが大切になります。
飲むタイミングは寝起きの1杯です。寝ている間には皮膚から発汗が起こっていて、体内の水分が減っていきます。これを補っておかないと血液中の水分が減って、血流や血管にも影響が出てくるので、その解消にコップ1杯の水を飲むことがすすめられます。しかし、この理由での水の温度は関係ありません。それに対して、便通をよくするための寝起きの1杯は冷たい水です。
空腹のときに胃の中に冷たい水が入ってくると、「胃‐大腸反射」という身体の反応が起こって、大腸の動きが盛んになり、排便が促されるようになります。便秘ぎみの人は、飲んですぐに効果が出るわけではないため、朝食後の排便のためには、起きてすぐにコップ1杯か2杯の水を飲むようにするとよいということです。
便意を催さないときに、無理に排便しようとするのはストレスになってしまいますが、身体の反応が始まっているときなら、それほど苦労せずに排便へと向かうこともできるようになります。
食事は「胃‐大腸反射」を起こすためには必要なことなので、朝食抜きは便秘の大きな要因となります。朝食を欠かすことがない生活も重要になるのです。