身体の不調の原因をパソコンのメモリの変遷から考える

発達障害の研究を進める中で、周囲からみると困ったことをする子どもは、自分でどうしてよいのかがわからないために困っている子どもであることがわかり、脳の負担が大きなことがわかりました。このことを理解してもらうための講習をすると、発達障害の原因が判明していないことに対する疑問を抱かれることが多く、そのことをイメージしてもらうために、これまではパソコンのメインメモリの容量を例にして話をしてきました。しかし、スマホの機能アップにつれてパソコンを操作する人が減ってきたことから、たとえ話をスマホにするようにしています。
その前に今回はパソコンの話ですが、1979年にNEC(日本電気)がPC‐8001を初めての完成型パーソナルコンピュータとして発売しています。そのときのメインメモリの容量は16KB(キロバイト)でした。現在主流のパソコンの4GB(ギガバイト)と比較すると25万分の1の容量でしかありません。ちなみに1B(バイト)は半角文字1個分のデータ量で、全角文字だと2Bになります。1KBは1024B、1MB(メガバイト)は1024KB、1GBは1024MBの換算です。
1985年のNEC PC‐9801は128KBで、当時としては容量の多さもあって、国内シェアの90%以上を占めたものです。1995年のWindows95パソコンは512MBに大きく跳ね上がり、徐々に増えていって、Windows10は最低でも1〜2GBとなり、4GBが当たり前の時代になりました。それだけ多くの容量が必要なソフトと機能になったということです。
以前のパソコンは「重い」と言われて動作が遅いことがあり、容量が多いと「サクサク」と動くと言われたものです。重いだけならまだしも、フリーズしたり、突然に終了することもありました。WindowsパソコンのOSが新たになると、ソフトの入れ替えだけでなく、機種ごと代えなければならなかったのはメインメモリの容量が増えて、対応できなくなっていたからです。
このようにパソコンの変遷をみると、発達障害児が特徴的な行動をしたり、周囲に対応できないのは、脳がフル回転するための容量が不足しているのではないか、現在の環境が多くの容量を必要にさせているのではないかという考えも浮かんできます。