身体年齢測定11 握力を強化する運動習慣

身体年齢測定では握力が指標の一つとなっていて、握力の低下は全身の筋肉の減少と筋力の低下を知るための重要な要素です。握力が強くなれば、身体年齢測定では実年齢よりも若く表示される可能性があるわけですが、ただ握力を強くする運動(ニギニギやハンドグリップ、雑巾絞りなど)をすればよいというわけではありません。

握力は全身の筋肉の量を推測する指標であって、握力を強化したからといって、全身の筋肉が増えるわけではありません。握力を強化しようとするのであれば、そのための運動が全身の筋肉を強化する結果になればよいわけで、そのために紹介しているのはポールを用いたウォーキングです。

これは北欧発祥のスポーツタイプのノルディックウォーキングと、日本発祥のポールウォーキングがあります。全国的に広まっているノルディック・ウォークは名称は北欧発祥のほうをイメージさせますが、ポールウォーキングに分類されています。

ノルディックウォーキングはクロスカントリースキーの夏場のトレーニングとして始まったもので、ポール(スティック)が手から離れても戻ってくるグローブが使われています。それを利用して、ポールを後方に投げ出すようにして前進します。

それに対してポールウォーキングは、ポールを握って歩きます。これによって安定性を重視した歩行となります。

ノルディックウォーキングは通常歩行に比べると、同じ距離を歩いたときのエネルギー消費量は1.2倍にもなります。ポールウォーキングのほうは1.1倍にもならないとしても、ポールを握って歩くことで握力が鍛えられます。

通常歩行では下半身(ヘソから下)の筋肉が主に使われます。下半身の筋肉は全身の70%ほどです。それに比べてポールを使うと首から下の90%の筋肉が使われます。これによって、ほぼ全身の筋肉が鍛えられるので、握力が強くなるのと同時に、全身の筋力も強くしていくことができるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕