筋肉運動をすると、そのあとに筋肉が増えるという印象があるかと思いますが、筋肉が増えるタイミングは運動後だけでなく、睡眠中にも起こっています。この睡眠中というのは、運動したときから長い時間が経過した夜間の睡眠のことを指しているのですが、運動をした後の睡眠でも効果があります。
激しい運動をしたあとに食事をして、その後に寝るというのは相撲の力士に取り入れられている筋肉強化法です、“食べてから寝ると太る”というのは一般の話であって、筋肉強化をするためには、筋肉の材料になるたんぱく質が多く含まれる食品(肉、魚、卵、乳製品、大豆・大豆製品)を食べて、それから寝ることがすすめられます。
このことは筋肉量が成績に大きく影響する他のスポーツにも取り入られていることです。体内で何が起こっているのかというと、寝ているときに成長ホルモンが多く分泌されます。この成長ホルモンが筋肉を増やしていきます。
成長期の子どもは1日中、成長ホルモンが多く分泌されているのに対して、成人以降は運動後と睡眠中に多く分泌されるだけです。高齢になると運動をしても成長ホルモンの分泌量が増えにくいことから、特に睡眠が重要となるものの、高齢者では自律神経の副交感神経の働きが低下することから、良質の睡眠が得られにくくなります。
だからこそ、効果的な睡眠によって、筋肉運動による筋肉強化を進めるようにしたいのです。成長ホルモンは睡眠中に均等に分泌されているわけではなくて、深い眠りになっているときに多く分泌されます。
睡眠は90分周期で深い・浅いを繰り返す波のような動きがあり、初めの90分は深く、だんだんと浅い眠りとなっていきます。
初めの深い眠りが大切で、そのためには副交感神経の働きを少しでも高められるように、リラックス状態で就寝するために興奮するようなことを避ける、リラックス作用がある飲み物を飲む、胃腸に負担がかからないように食事は就寝の3時間前までに済ませる、室温と湿度を快適な状態に保つ、周囲の音が気にならない環境で寝る、そして身体が温まった状態から徐々に体温が下がっていくときに入眠しやすくなるので入浴は就寝前にするか寝る前に身体を温める工夫をする、といったことがすすめられています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕