腎臓は、血液中の老廃物や塩分を濾過して、尿として体外に排出する臓器です。腎臓が正常に働いていれば、余分なものが体外に捨てられることから健康状態を保つことができます。
濾過を行っているのは糸球体で、細い毛細血管が毛糸の球のように丸まっていることから糸球体と呼ばれています。糸球体は0.1mmほどですが、100万個以上もあって、余分なものは排出して、必要なもの(赤血球や白血球、タンパク質など)は血液中に戻されています。
この濾過する働きが腎機能で、不規則な生活や睡眠不足、ストレス、栄養の偏りなどによって腎臓に負担がかかると腎機能を低下させることになります。
腎機能障害は、糸球体そのものの機能が低下することの他に、糖尿病の合併症の腎症によって起こる場合が多く、今では糖尿病性腎症のほうが多くなっています。糸球体は1本ずつ機能が低下していくのに対して、糖尿病性腎症は毛細血管が全体的に老化していくことから急に機能が低下していくことが関係しています。
糸球体通過率は20歳を100%とすると60歳では80%に低下します。80代では50%にも低下するとの報告もあります。
腎臓の重量は40歳代前半をピークとして少なくなり、腎臓は徐々に萎縮していきます。これは全体的な機能低下であって、腎臓に負担をかける生活や糖尿病があった場合には急速に低下していくことになります。
糸球体は一部の働きが悪くなっても、他の正常な糸球体が補うことから腎臓が萎縮しても急に機能が低下することはないものの、年齢を重ねると糸球体の数が減り、それにつれて糸球体通過率も低下していきます。
そのため腎機能を保つためには、機能低下につながる生活を改善することが求められるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕