食生活チェック表を用いた栄養バランスの確認では、1週間に食べた副食(おかず)の種類(肉、魚、卵、乳製品など)と摂取量の目安を聞いていますが、コレステロールが多く含まれる食品(肉類、卵類など)の摂取は把握しやすくなっています。
しかし、血液中のコレステロール値は食品にだけ左右されるものではないので、他に注目すべきことがあります。それは全体のエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)の摂取の傾向です。
血液中のコレステロールのうち食事に由来するのは20%ほどで、80%ほどは肝臓で合成されたものです。肝臓ではエネルギー源の食品を材料にしてコレステロールが合成されています。
コレステロールは全身の細胞膜の材料であり、ホルモンの原料、脂肪を消化する胆汁酸の材料にもなっています。健康維持には欠かせない成分であることから体内で合成されているわけです。
重要な成分であることから、エネルギー源が余分になったときには合成量が増えていきます。そのため、コレステロールが多く含まれる食品を控えているのに、なかなかコレステロール値が下がらないということは普通に起こります。
コレステロールを減らすためには、全体の食事量を適正にして、余分なエネルギー摂取を減らすようにすることが大切になります。特に注意したいのは摂取量が多くなりがちな糖質のご飯、麺類などと、エネルギー量が高い脂質の脂肪となります。同じ重量では脂質は、糖質とたんぱく質の約2.25倍のエネルギー量となっています。
余分なコレステロールを減らす食品の成分で注目したいのは食物繊維です。コレステロールの量が増えると、これを血液中に運ぶ役割をするLDLコレステロールが増えます。LDLコレステロールが活性酸素によって酸化すると動脈硬化のリスクが高まるので、抗酸化作用があるビタミンA・C・E、色素成分が多い緑黄色野菜の摂取量を増やすことも伝えています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕