3年間にわたるコロナ禍は、国民の健康度に大きな影響を与えました。新型コロナウイルス感染症によって亡くなる人が増えて、終戦後から延び続けてきた平均寿命が初めて短くなるという歴史的な出来事がありました。
国民の健康度については、終戦直後の昭和22年から毎年発表されている厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(以前は国民栄養調査)によって確認して、数年先の健康状態を予測するための基礎データにもなっています。
それならばコロナ禍の最中の「国民健康・栄養調査」の結果を見ればよいと考えるところですが、この調査がコロナ禍の影響で2020年から実施されていません。早くても今年(2023年)の年末になりそうですが、そのために何が影響したのか、何を改善すれば国民的に健康度を高めていくことができるのかの推測が難しくなっています。
平均寿命は、その年に生まれた子ども(0歳の赤ちゃん)が今の社会状況、経済状況が続いたとした場合に、どこまで生きることができるのかという推定年齢です。これに健康面に影響を与えることとしては自然環境、内臓脂肪量(身長、体重、腹囲から推定)、運動量、栄養摂取、喫煙の有無などがあげられています。
コロナ禍で外出が制限され、食生活が変化して、医療機関を利用する人も減るといったことが健康度を低下させる要因になりました。活動量の低下と栄養不足は高齢者のフレイル(虚弱)にも大きな影響を与えます。
フレイルは「筋肉量の減少→身体活動の低下→運動頻度の低下→食欲の低下→たんぱく質の不足による筋肉量の減少」という悪循環を起こしています。
コロナ禍によって不安視された健康度の低下としては、筋力・筋肉量の低下、運動頻度の低下、活力の低下、睡眠不足、人付き合いの減少、うつ症状などで、ほぼ共通していることがわかります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕