筋肉は強く刺激すれば、刺激する時間が長ければ強化されるという考えが、いまだに広まっているところがあります。筋肉を強化して身体年齢を若く保つために激しい運動をすることで、かえって筋肉強化の効果を低下させることがあります。
それは休養に関する認識の違いで、「休んでいるときもトレーニング」という感覚をもって、適度な休養を入れながら筋肉強化の運動をすることがすすめられます。
筋肉が刺激されると疲労物質の乳酸が増えていきます。以前には乳酸は悪い働きしかしない有害物質と思われていたこともありますが、乳酸は糖質がエネルギー代謝されるときに不完全燃焼状態によって発生するもので、完全燃焼状態にすることで発生量を減らし、さらにエネルギー源として活用できることがわかってきました。
しかし、筋肉を強化する無酸素運動(息を止めてもできる運動)では乳酸が多く発生します。完全燃焼状態にするには、多くの酸素が必要になるからです。ということは、乳酸をエネルギー化させるためには無酸素運動のあとに有酸素運動をすればよいことがわかります。
筋肉を強く刺激する運動を続けるほど乳酸が発生しますが、乳酸は筋肉の動きを止めようとする作用があります。いつまでも筋肉が動き続けなければならない状態は、エネルギーを多く使いすぎて生命維持にも影響が出てくるからです。
最悪は心臓を動かす筋肉が動かないということにもなります。だから、筋肉が強く刺激されると乳酸が発生して、筋肉が動きにくくなり、運動が続けられない状態にしているのです。
筋肉を動かすことで効果的に強化するためには、乳酸が溜まってきたら休息を入れて発生量を抑える、緩やかな(歩く程度の)有酸素運動を途中に入れて乳酸を減らすという方法も大切になってくるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕