身体年齢46 加齢によって変化する血圧の食塩感受性

食塩の過剰摂取が血圧を上昇させるのは、ナトリウムが高血圧に関係する食塩感受性がある人だけで、その割合は日本人の場合は30〜40%ほどとされていることを前回(身体年齢45)で紹介しました。それに続いて、食塩感受性がないと判定された人が、いつまでも同じ状態が保たれるわけではないという研究成果について紹介します。

食塩の摂取が血圧を上昇させるのは、血液中のナトリウムが増えると血液の浸透圧を一定に保つために血液中の水分が増えることが原因とされています。ナトリウムは水分と結びつきやすく、ナトリウムが多くなるほど水分量が多くなっていきます。

血液中のナトリウムが増えても、腎臓が正常に働いていれば余分なナトリウムは濾過によって排出されます。しかし、ナトリウムは一定量が血液中に必要であることから、一部は再吸収されています。

食塩感受性がある人は、ナトリウムの再吸収が盛んであることが知られています。食塩感受性がない人は、そのままの状態が継続していれば塩分の摂りすぎによる高血圧は心配しなくてもよいことになるわけですが、年齢を重ねると血管の老化が進み、動脈の弾力性が低下するようになります。

血液中のナトリウムが濃い状態になると、血管の細胞の中にもナトリウムが浸透するようになり、ナトリウムが水分を吸着することによって細胞内の水分量が増えていきます。これによって細胞が膨らむと、血管は内側に狭くなり、これが血圧上昇の原因となります。動脈に弾力性がある若いときには対応できても、年齢を重ねると動脈が硬くなり、血管が狭くなった分だけ動脈への圧力が高まり、これが血圧上昇につながります。

このことが年齢を重ねると食塩感受性が高い人と同様の反応を起こすことになってくる理由です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕