身体年齢56 健康づくりのための身体活動・運動ガイド

厚生労働省から「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が発表されました。

身体年齢を測定して、実年齢との差が明らかにされたときには、若く出た人は現状を維持するために、実年齢よりも上に出た人は運動を心がけるように指導されます。その指針となるのが、このガイドです。

これまでも身体活動・運動分野のガイドラインはあり、平成元年に「健康づくりのための運動所要量」が策定されたのが始まりです。次いで平成5年度に「健康づくりのための運動指針」が、平成18年に「健康づくりのための運動基準2006」と「健康づくりのための運動指針2006(エクササイズガイド2006)」が策定されました。

平成25年には、「21世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21(第二次))」の開始に伴い、「健康づくりのための身体活動基準2013」(身体活動基準2013)と「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」(アクティブガイド)が策定され、これらの基準等を活用して、「健康日本21(第二次)」における身体活動・運動分野の取組が進められてきました。

「身体活動基準2013」の策定から10年が経過して、身体活動・運動に関する新たな科学的知見が蓄積されてきました。

その一方で、「健康日本21(第二次)最終評価」において、身体活動・運動分野の指標である「日常生活における歩数」、「運動習慣者の割合」のいずれについても、横ばいから減少傾向となっています。

考えられる要因としては、機械化・自動化の進展や移動手段の発達等、生活環境の変化による労働場面、家庭場面、移動場面における歩行機会の減少や、運動を実施するための啓発あるいは環境整備に向けた働きかけが不十分であったことがあげられました。

こうした状況を踏まえて、身体活動・運動分野の取組をさらに推進するため、最新の科学的知見に基づき、「健康づくりのための身体活動基準2013」を見直し、「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が策定されたわけです。

「基準」という表現がすべての国民が等しく取り組むべき事項であるという誤解を与える可能性などが考慮されて、「ガイド」という名称となっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕