医療の範疇は、診断、治療、予防の3要素です。実際に医師が主導して実施するのは診断と治療で、予防について行われていても、講習レベルであって、個人対応ではないのがほとんどです。
行動変容は治療の一環として行われる食事療法、運動療法を指していますが、予防のために実施されるのが本来の姿ではないかと認識しています。
その治療としての行動変容の特に必要になるのは生活習慣病の治療にあたっての場面です。生活習慣病は肥満症、高血圧症、糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症)、肝機能障害、腎機能障害、痛風、がんも含まれています。
これらの生活習慣病の改善には、まさに食事と運動の習慣が重要になり、その改善のためにも、予防のためにも食事と運動を的確に実施することが求められます。的確というのは、ただ指示されたメニューどおりの食事をして、運動を行えばよいだけでなく、それぞれの人に適したものを適した通りに行い、身体の状態が変わったときには、それに合わせた方法で継続することが大切になります。
それだけ医師の指示は重要になるわけですが、実際には医師から食事と運動を的確に指示されることは少なく、患者が自らの力で回復させようと考えても、実践が難しい、継続が難しいということが起こっています。
これまでの生活習慣を変えることは、よほどの変化に直面することが必要とされ、病気はきっかけの一つとなります。しかし、病気であることがわかり、治療に取りかかっても、痛みを感じる、すぐに生命に影響があるということでないと、指示どおりの生活に変えない人が少なくありません。
その原因として、本人の性格や意識があげられることが多いものの、充分な知識がなく、継続させるための方法がわからないことも大きな要因となっていると認識しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕