軽度認知障害は、認知症の“予備群”とも呼ばれています。健康関連の情報を見ていると「予備軍」という言葉が、よく出てきます。予備軍というのは、予備の軍隊のことです。“予備群”は本来の病気になりやすい人たちのことで、グループを指す「群」が正しい表現です。少なくとも、メディアに「予備軍」という記載・掲載がされていたら、間違いだと思ってもらえればと思います。
その“予備群”の中では、「糖尿病予備群」という言葉がよく聞かれます。これは血糖値が高い状態の人であって、まだ糖尿病の範囲に入っていない人を指しています。まだ、糖尿病ではなく、的確な生活をしていれば糖尿病にならない人となっています。
それに対して認知症予備群は、すでに軽度認知障害と診断されていて、本来なら治療をしなければならない状態です。しかし、軽度認知障害と診察されても、治療らしい治療は行われていません。軽度認知障害の人に施されるのは、食生活の改善、適度な運動、生活を楽しむ、人との交流といった健康によさそうな生活を過ごすことでしかありません。
つまり治療のための医薬品はなく、生活改善ができなければ認知症を発症するリスクが高いグループとなっています。
現在の認知症の患者は約462万人(平成24年統計)、予備群(軽度認知症)は約400万人とされています。それが厚生労働省発表の新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)によると平成37年には認知症患者は約700万人、予備群は約600万人と予測されています。認知症と予備群合わせると65歳以上の5人に1人の割合であり、考えるだけでも恐ろしい気持ちになります。
軽度認知障害は「あたまの健康チェック」なる医療機関などでのチェックによって判定できるものの、治療法がないまま“認知症になるまで何もしない”と言われるような状態のまま放置されているのが現状として指摘されています。
そんなところに飛び込んできたのが「軽度認知症障害に対応できる機能性食品」の情報です。
それを活かして、軽度認知障害の半分が認知症に進むことを何とかしたい、軽度認知障害から正常な状態にも戻れる人は10%ほどでしかないという状態から、もっともっと回復する人を増やしたいという思いを持って、これに社会貢献したいと願う人たちとの活動が、特定非営利活動法人医療機関支援機構との連携によって行われることになりました。
具体的には、医療機関支援機構が全国の医療機関(病院、クリニック、調剤薬局)で隔月23万部発行されている医療・健康情報誌『カルナの豆知識』に軽度認知障害チェックの紹介を掲載し、そのためのサポート法を紹介し、何をすればよいかを普及していきます。医薬品の代わりに使えるエビデンス(医科学的に証明された結果)に基づくサプリメントも紹介していきます。
相も変わらず、私たちによる非営利活動のボランティアですが、必要とする人がいて、それも増え続ける現状にあっては情報発信を続けるしかないと認識して頑張っています。