迷言10「オンをオフで返す」その1

よかれと思ってやったことなのに迷惑がられるのは誰しも経験していることかと思います。よかれは、良かれとも善かれとも書かれるのですが、自分たちとしては“善かれ”を使うようにしています。

その善かれと思ってやったこと、それも押しつけでもなく、感謝を期待してのことでもないのに、無視されるならまだしも、“悪しかれ”で返されることもあります。

そんな経験を資格認定講習の場で話すときに、よく使っているのが「オンをオフで返す」という諺(ことわざ)をもじった言葉です。もちろん、元の諺は「恩を仇で返す」で、仇は“かたき”ではなくて“あだ”です。

恩をオン(on)にして、その対義語のオフ(off)を合わせて作った言葉ですが、講習で使ったときの反応は、そこそこです。

しかし、その意味するところを話すと、ほとんどの方に理解してもらえます。そして、私たちの講習が目指しているところもわかってもらえます。

その意味するところというのは、私たちが恩を受けたオンをオフで返すという恩知らずの行為ではなくて、講習で知識を伝えるようにスイッチをオンにしたことが伝わらないとオフで返されることがあるということです。

聞いている方のことを思い、しっかりと伝わるように話さないで、講習テキストに沿った話をするだけだと、受け入れてもらえないことがある、ということを話しています。

というのは、私たちの講習は初級、中級、上級の3段階方式を採用していて、学んだ方が次の機会には教える立場となっていく教育システムだからです。

初級、中級と学んでいくときにも、自分が中級となって教えるときのことを考えて、しっかりと理解することが大切で、理解できていないところがあるまま放置しておいたら、教える立場になったときに充分に伝わらなくて、オンをオフで返されるようなことにもなりかねない、ということが伝わるように話をしているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕