「位置を聞いて自由を知る」という諺(ことわざ)はなくて、正しくは「一を聞いて十を知る」です。論語に出てくる言葉で、物事の一部を聞いただけで全部を理解できるということで、賢明で察しがよいことのたとえに使われます。
似たようなものに「一を以って万を知る」という十に比べたら千倍の理解力を示すような言葉もありますが、十だろうが万だろうが、驚くほどの理解力を持っている人がいます。
資格認定講習では、少なくとも受講者よりも講師のほうが詳しいし、正しいということを前提に行われているわけですが、中には講師を上回る受講生がいることがあります。
健康の話をしているときに、単なる医師ではなくて研究者レベルの人がいたら、並みの講師ではビビってしまうところでしょうが、それを超えるだけの他ではやっていない研究、多くの研究者の知恵を積み重ねた結果、どこよりも早い最新情報のリサーチがあれば、まずビビって講習が進められなくなるというようなことはなくなります。
私たちの講習は、それを意識して行っています。そして、受講生の立場になるときにも、講師の発言に疑問を抱くようなことがあっても、その場を乱すような発言はしないようにしています。講習が終わってから講師に伝えるか、通信手段を使って、あえて質問の形で指摘するようにしています。
これは受講生という自分の位置を知りながら聞いて、講師の自由を奪うことがあってはいけないことを知った行動をするということで「位置を聞いて自由を知る」を使っています。
もちろん、受講生には、私たちと同じ態度で受講してほしいところですが、集団の講習であっても講習中に自由に聞いてくる人がいます。そんなときには、その人だけに答えるのではなくて、“よい質問”として、みんなに役立つ返答をするということにして、順調に進めるように心がけています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕