速歩と普通歩行を繰り返すインターバルウォーキングの効果

ウォーキングに関する研究は数多く実施されていて、身体機能だけでなく認知機能の向上や実施による医療費の削減まで、さまざまな成果が報告されています。これまでの数多くの研究によって明らかにされてきたのは、健康の維持・増進には歩く時間や距離の長さだけではなく、一定の負荷をかけることの効果であり、一般的なウォーキングと中強度の負荷がかかるウォーキングを繰り返すことによって健康寿命の延伸が得られるとの結果です。
中強度の負荷のウォーキングは速度を高めることに加えて、速度は同じであってもポールを用いて歩行することによって20〜30%もの負荷が高まることから、普通歩行と速歩を交互に実施するインターバルウォーキングへの応用による効果が認められています。
普通歩行は典型的な有酸素運動であり、速歩やポールを用いた歩行は無酸素運動の領域となっています。そのため無酸素運動の歩行は長くは続けられないものの、筋肉に多くの酸素を取り込み、その状態で普通歩行を行うことによって比較的短い時間で効果的に有酸素運動を行うことができます。
有酸素運動と無酸素運動を交互に行う運動としてはマシントレーニングとエクササイズを短時間ずつ繰り返すサーキットトレーニングが知られており、その脂肪代謝(燃焼)と心肺機能向上の効果も確かめられています。インターバルウォーキングは、いわば歩くサーキットトレーニングですが、有酸素運動としてのウォーキングの効果を高めるためには無酸素運動としての歩行をプログラムに従って実施する必要があります。そのプログラムの構築と、ウォーキングの目的(血圧を下げたい、血糖値を下げたい、中性脂肪値を下げたいなど)に合わせた歩き方を指導しています。
これを地域の健康づくりに活かすというのが、これまでのオファーでしたが、新たに考えているのはスポーツ選手の有酸素運動と補助トレーニングです。日本メディカルダイエット支援機構では、運動と食事のタイミングによってエネルギー代謝の促進するメディカルダイエットをすすめていますが、そのための運動として、それぞれが行っているスポーツではなく、調整しやすいインターバルウォーキングを用いるということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)