厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しました。その中の「慢性疾患を有する人の身体活動のポイント」の「現状」を紹介します。
〔現状〕
「慢性疾患を有する人はどれくらいいる?」
日本では、60歳以上の人の6割以上が何らかの疾患で通院しており、年齢とともにその割合は上昇します。高血圧有病者が4300万人、その約1/3は未治療で自身が高血圧である認知もありません。
糖尿病有病者と予備群を合わせると約2000万人、脂質異常症では治療中の患者が220万5000人、慢性膝関節症については、レントゲン検査で膝関節に変形がある人が2000万〜2500万人、うち痛みなどの症状を伴う人が800万人と推定されています。
「慢性疾患を有する人のうち、運動・身体活動を実施している人の割合は?」
メタボリックシンドローム該当者・予備群の運動習慣者割合は、非該当者よりも低いことが報告されています。変形性膝関節症では、身体活動推奨量を満たす人は2割未満であることがメタ解析より示されており、日本国内の調査でも膝痛を有する人は、そうでない人と比較して週150分以上の身体活動を行っている者の割合が低い(35.6%vs51.2%)ことが示されています。
「慢性疾患を有する人で運動・身体活動不足の人はどういう人?」
高血圧患者のうち運動習慣がない人は自身の血圧値を知らないことが多く、病気や健康への関心度が運動習慣にも関連するとの報告があります。また、来院時に医師や運動指導者から定期的に運動指導を受けていない人は、運動や身体活動が不足していたという報告もあります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕