厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しました。その中の「慢性疾患を有する人の身体活動のポイント」の「取り組むべきことは何か」「よくある疑問と回答」を紹介します。
〔取り組むべきことは何か〕
慢性疾患については、定期的な健康診断や医療機関の受診、必要な治療が行われていることが前提です。身体活動を勧められない理由がなければ、医療機関の管理のもと、身体活動が不足している人にはあらゆる機会で、今より少しでも活動量を増やすことを積極的に勧めるとよいでしょう。
運動実践が疾患のコントロールに影響することもあるので、定期的な受診・情報共有が必要です。運動施設で新たに疾患が疑われた場合は、医療機関受診を推奨します。その際も、通常は日常生活レベルの身体活動の実施は可能であり、できることは行いつつ受診を勧めるとよいでしょう。
座位時間が長い場合は、座位時間を他の活動におきかえる、例えば30分に1回短時間でもいいので中断し、身体を動かすといったアプローチも効果的です。
〔よくある疑問と回答〕
Q 本ガイドは運動療法にも使えますか?
A 基本的な考えや、広く目安を知っていただくためには有用です。ただし、個別の状況に合わせ最も効果的・効率的な方法を考えるためには、さらにきめ細かい運動処方が必要です。状況に合わせ、健康スポーツ医や専門の運動施設(指定運動療法施設や医療法42条施設)に相談されることをお勧めします。
Q 慢性疾患を有する人に適切な運動指導のできる運動指導者や運動施設の情報を教えてください。
A 運動療法という意味では、上述の指定運動療法施設や医療法42条施設が該当します。広く元気と健康のために運動については、さらに多くの施設で可能です。詳細はかかりつけの医師や地域の健康スポーツ医に相談してみてください。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕