運動ガイド30 身体活動・運動を安全に行うためのポイント1

厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しました。その中の「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」の「普段の健康管理」を紹介します。

〔普段の健康管理〕
運動時の安全対策を考える場合、普段からの健康管理が重要です。そのことを十分理解し、ご自身の身体の状態を知り、定期的な健康診断を受け、必要に応じて慢性疾患の管理のために通院することや、体重・体脂肪率・血圧・脈拍・体温を確認しておくことなどの自己管理をすることが重要です。

指導者側は、自己申告の「病気がない」を鵜呑みにしてはいけません。健診を受けていない場合など、病気があることを知らないだけかもしれません。運動開始時には健診結果を持参したり、治療中の病気などがあれば共有していただくなどして、健康状態を把握したうえで個人に合った運動を勧める必要があります。家族歴にも注意を要するものがないか確認します。

こうした安全対策の取組を適切に行いつつ、病気があると運動施設の会員になれないなどのイメージを払拭していくことが肝要です。

健康増進のための運動の際には、他の生活習慣にも配慮することが併せて重要です。休養・禁煙・節酒とともに、食事にも気を配る必要があります。減量時や減量維持の場合は、特に、運動だけでなく食事も含めた生活習慣への注意が必須です。

筋肉増強を目的とする運動の場合は、肥満症の減量時とは異なり、運動量が増えた分について摂取エネルギーを増やす必要があります。たんぱく質の摂取も重要です。(詳細は、「身体活動とエネルギー・栄養素について」を参照)

運動だけでなく、生活全体で活動量が多いことが健康上効果的であるため、普段の生活でも活動的に過ごし、座りっぱなしの時間を減らすといった点にも気を配ることが重要です。

運動時の服装や靴については、快適で安全に運動できる適切なものを身につけることを勧めます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕