厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しました。その中の「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」の「新たに運動を開始するときの確認事項」を紹介します。
〔新たに運動を開始するときの確認事項〕
新たに運動を開始する場合には、①疾病の有無や状態、②実施者が何を行いたいのか・指導者が何を行わせたいのか、③普段の身体活動量(運動を含む)などを踏まえ、運動を開始して問題ないかを判断する必要があります。
必要に応じて、医療機関を受診するなどして運動前の健康チェックを行い、安全・安心に運動を進めていくことが重要です。
1)運動開始前の注意事項(STEP1)
①高血圧
血圧は運動により上昇することから、もともと高血圧がある場合は、注意が必要です。特に、Ⅲ度高血圧(診察室血圧180/110mmHg以上、家庭血圧160/100mmHg以上)の場合には、服薬でコントロールしてから運動を開始する必要があるため、医療機関受診を勧めてください。
②糖尿病
糖尿病では、仮に冠動脈疾患があっても典型的な胸痛などの症状が出ない場合があるため、丁寧な確認が必要です。糖尿病合併症で顕性腎症・自律神経障害を有する場合は、狭心症を疑う症状がなくても多段階運動負荷試験が推奨されます。かかりつけの医師などに相談してください。
また、増殖性網膜症がある場合や、血糖マネジメントが極端に悪い場合(例えば空腹時血糖が250mg/dl以上、尿ケトン体が中等度以上に陽性)、高度の糖尿病性神経障害や壊疽を有する場合などは、運動は禁忌です。
合併症の状況や、血糖マネジメントの状況がわからない場合は、かかりつけの医師などに確認の上、運動を開始してください。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕