厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しました。その中の「身体活動による疾患等の発症予防・改善のメカニズム」の「身体活動による発症予防・改善のメカニズム」を紹介します。
〔身体活動による発症予防・改善のメカニズム〕
1)代謝性疾患
脂肪組織、骨格筋、肝臓などの機能不全が疾患の主な要因です。
身体活動は、皮下、腹腔内、肝臓、骨格筋などに分布する脂肪細胞に蓄積された脂肪をエネルギー源として利用するとともに、エネルギー消費量と食事によるエネルギー摂取量とのバランスが負になることで肥満の予防・改善に寄与します。
肥満の改善とは独立して、身体活動に伴う筋収縮は、GLUT4(糖運搬体4型)の発現や筋細胞膜への移行を通して糖取り込みを促進するとともに、ミトコンドリアの呼吸代謝活性の向上を通して、インスリン感受性を改善し、血糖値の上昇を抑えます。
また、身体活動により縮小した脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンがインスリン感受性を改善することも糖尿病の予防・改善に寄与します。
筋収縮や筋血流増加による血管内皮細胞のリポ蛋白リパーゼ(LPL)の増加や活性の向上は、血中の中性脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解し、筋への取り込みを促進することで、脂質異常症の予防・改善に寄与します。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕