障害がある子どもが「ありがとう」と言われるウォーキング大会

ウォーキングは年齢に関係なく多くの人が参加できる運動で、高齢者も子どもも一緒に参加できる健康づくりイベントにも活用されていました。「います」ではなく「いました」と書いたのは、新型コロナウイルスの感染拡大によって、屋外で実施されることであっても、多くの人が集まるイベントということで大小を問わず開催が中止されているからです。
ウォーキングは誰でも主催者になって実施できるものであっても、ほとんどのイベントは日本ウオーキング協会(JWA)によって開催されています(いました?)。ウォーキングは一般には“ウォーキング”と表記されますが、日本ウオーキング協会の場合は“ウオーキング”が固有名詞として使われています。(変換ミスではありません)
ウォーキングのイベントが、ここまで盛んになったのはJWAが最終的な目標を地球1週分の約4万kmとして、JWAが主管するウオーキング大会で歩いた距離を公式カウントとして表彰する制度を設けたからです。JWAは主管であって、主催は各地の自治体で、JWAの主管のもとに47都道府県のウオーキング協会が協力をして1〜3日の期間のウオーキング大会を実施してきました。都道府県単位の大規模な大会はまだ早いとしても市町村単位の大会が早く再開されることを願って、JWAのホームページをチェックしているのですが、いまだに中止の案内ばかりです。
ウオーキング大会だけでなく、ウォーキングのイベントが再開されるのを願っているのは、これらの大会が子どもたちによい結果をもたらす場になっていることを知っているからです。それはウォーキングの心身の健康効果も含めてのことですが、日本メディカルダイエット支援機構の理事長がJWAのサポート団体の代表を務めていたとき、大会のコースに出発する参加者に障害がある子どもたちがペットボトルの水を手渡ししているシーンを目にしたからです。
この水は無料というか、参加費に含まれているもので、歩き始めた人たちに1本ずつ「頑張ってください」と手渡ししていきます。10〜30kmのコースが通常なので水は何本も必要ですが、子どもたちの応援を受けて歩き始めるという出発のセレモニーとなっています。そのときに水を受け取った参加者から「ありがとう」という声が子どもたちにかかります。場合によっては、地域性などもあるのかもしれませんが、ほとんどの参加者が声をかけてくれます。
発達障害も含めて、障害がある子どもたちの多くは、支援を受けて「ありがとう」と言ったことは多くても、「ありがとう」と言われたことは少なくて、その声かけに大きな喜びを感じて、これが頑張っていくモチベーションにつながることもあります。そんな心の交流の機会だけは、できるだけ早く復活してほしいと願っているのです。