健康維持のために、どんな栄養素を、どれくらい摂ればよいのかという基準が、厚生労働省より発表されています。
その基準は「日本人の食事摂取基準」で、健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、エネルギー・栄養素の欠乏症の予防、生活習慣病の予防、過剰摂取による健康障害の予防を目的として制定されたエネルギーと各栄養素の摂取量の基準が示されています。
栄養状態と健康状態は、それぞれの時代によって変化してきていますが、「日本人の食事摂取基準」は2004年から5年に1回改定されています。それ以前は1970年から「日本人の栄養所要量」として公表されてきました。
現在の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」は、2020年から2024年まで使われます。そして、2025年から使われる「日本人の食事摂取基準(2025年版)」が発表されました。
食事摂取基準は、健康増進法第16条の2に基づいて厚生労働大臣が定めるものとして、国民の健康の保持・増進、生活習慣病の発症予防を目的として、食事によるエネルギーと各栄養素の摂取量について、「食事による栄養摂取量の基準」として示されています。
この食事摂取基準は、科学的根拠に基づく栄養政策を推進する際の基礎となるものとして、また事業所給食、医療・介護施設などの管理栄養士、医師などが健常者と傷病者の栄養・食事管理、栄養指導などに活用できるものとして2005年版の策定以降、5年ごとに改訂が行われてきました。
令和6年度から始まった健康日本21(第三次)では、方針として生活習慣の改善、主要な生活習慣病の発症予防・重症化予防の徹底を図るとともに、社会生活を営むために必要な機能の維持・向上などの観点も踏まえた取り組みを推進することが掲げられています。
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」は、こうした健康・栄養政策の動向を踏まえた内容となっていて、その一環として「生活習慣病及び生活機能の維持・向上に係る疾患等とエネルギー・栄養素との関連」の節では、生活習慣病に加えて、新たに骨粗鬆症とエネルギー・栄養素との関連も整理されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕