食事摂取基準6 エネルギーの指標

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、エネルギーの指標を設定しています。

エネルギーについては、エネルギー摂取量と消費量のエネルギーバランス(エネルギー収支バランス)の維持を示す指標として、BMIを用いています。

このため、成人における観察疫学研究において報告された総死亡率と身体機能障害の発生が最も低かったBMIの範囲、日本人のBMIの実態などを総合的に検証して、目標とするBMIの範囲を提示しています。

なお、BMIは、健康の保持・増進、生活習慣病の発症予防、さらには加齢によるフレイルや身体機能障害を回避するための複数ある要素のうちの1つとして扱うことに留めるべきであるとしています。

エネルギー必要量については、無視できない個人間差が要因として多数存在するため、性・年齢区分・身体活動レベル別に単一の値として示すのは困難とされています。

しかしながら、エネルギー必要量の概念は重要であること、目標とするBMIの提示が成人に限られていること、エネルギー必要量に依存することが知られている栄養素の推定平均必要量の算出に当たってエネルギー必要量の概数が必要となることなどから、参考資料としてエネルギー必要量の基本的事項や測定方法、推定方法を記述するとともに、併せて推定エネルギー必要量を参考として示しています。

さらに、体重あたりの推定エネルギー必要量も参考として示されていますが、この値と対象者の実体重を用いて推定エネルギー必要量を計算する場合、体重の小さなものでは過小に、体重の大きな者では過大に推定エネルギー必要量が算出されることに注意が必要です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕