厚生労働省は「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を発表しました。
「飲酒量(純アルコール量)と健康に配慮した飲酒の仕方等について」の「飲酒量と健康リスク」を紹介します。
(2) 飲酒量と健康リスク
世界保健機関(WHO)では、アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略を示しており、また循環器疾患やがん等の疾患の予防コントロールのため、アルコール有害使用の削減に関する目標などを含めた行動計画を発表しています。
さらに、飲酒量(純アルコール量)が少ないほど、飲酒によるリスクが少なくなるという報告もあります。
個々人が疾患などの発症リスクにも着目するなどして、健康に配慮することが重要であると考えられます。例えば、高血圧や男性の食道がん、女性の出血性脳卒中などの場合は、たとえ少量であっても飲酒自体が発症リスクを上げてしまうこと、大腸がんの場合は、1日当たり20g程度(週150g)以上の量の飲酒を続けると発症の可能性が上がる等の結果を示した研究があります。
飲酒による疾患への影響については個人差があります。したがって、これらよりも少ない量の飲酒を心がければ、発症しないとまでは言えませんが、当該疾患にかかる可能性を減らすことができると考えられます。
なお、飲酒の影響を受けやすい体質を考慮する必要がある場合などには、より少ない飲酒量(純アルコール量)とすることが望まれます。飲酒は疾患によっても、臓器によっても影響が異なり、個人差があります。
かかりつけ医等がいる場合には、飲酒についての相談をすることも有用です。
飲酒量(純アルコール量)が多くなることは、病気や怪我の可能性を高めるだけでなく、飲酒後の危険な行動につながる可能性も高くなります。これらを避けるよう、飲酒量(純アルコール量)に注意していくことが重要です。
その他の参考として、国内では、第2期計画において、「生活習慣病のリスクを高める量(1日当たりの純アルコール量が男性40g以上、女性20g以上)を飲酒している者の割合を男性13.0%、女性6.4%まで減少させること」を重点目標として示しています。
また、令和6年度開始予定の健康日本21(第三次)では、「生活習慣病(NCDs)のリスクを高める量(1日当たりの純アルコール量が男性40g以上、女性20g以上)を飲酒している者の減少」を目標とし、男女合わせた全体の目標値として10%を設定し、健康づくりの取組を推進することとしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕